飲食店や宿泊施設など、観光ビジネスに関わる業種では、訪日外国人の誘致がビジネスの成長にとって重要な要素です。
コロナウイルスのパンデミックの影響で訪日客数は大幅に減少しましたが、最近は回復の兆しが見えてきました。
ここでは、ローカルSEO/MEOを活用した訪日外国人の集客方法について、何故インバウンド対策をするべきなのかという点からGoogleビジネスプロフィール(旧Googleマイビジネス)の設定方法まで紹介していきます。
ぜひ参考にして頂き、自店舗のインバウンド集客を増加させてください。
インバウンドとは
「インバウンド」という言葉は、外国から日本への旅行客を指す言葉です。日本では既に定着しています。
2015年頃から、訪日客数が急増し始め、その注目度も高まってきました。また、「爆買い」という言葉も流行りましたね。つまり、訪日外国人が日本でお金をたくさん使い、買い物をすることを指しています。
インバウンドの推移
2022年の訪日外国人旅行者は、383万人でした。この数字は、外国人正規入国者数から日本に居住する外国人を除いたものに、一時上陸客を加えた入国外国人旅行者を指しています。
同じく2022年の出国日本人数は、277万人でした。
2022年までのパンデミックの影響も一時的であり、人々の買い物や旅行などの需要も復調の兆しを見せていました。
しかし、2023年に入ってからは、インバウンド需要が急速に回復しています。
2023年 最新のインバウンド増加データ
上記の図(観光庁作成)を参照すると2023年6月の訪日外国人の数は、パンデミックの影響を受ける前のピークであった2019年の同月数値に近くなってきていることが分かります。
そのため、店舗の集客対策で「インバウンド」の比重が大きくなってくることは間違いないと言えるでしょう。
インバウンド集客の成功の秘訣はMEO
MEO(Map Engine Optimization)は、Google検索やGoogle Mapsで店舗や施設を探す際に、地図検索で上位表示されるための最適化施策のことです。
次の見出しから、MEO対策がインバウンド集客に適している理由を解説していきます。
なぜMEO(ローカルSEO)はインバウンド集客に効果的なのか?
具体的な理由は以下の三つです。
- Googleマップは、世界中で一番人気のある地図アプリである
- Googleマップは、旅行に関連するアプリの中でも最も人気
- Googleマップは世界220以上の国と地域でサービスを提供している
以下の見出しより詳細を解説していきます。
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理由①Googleマップは、世界中で一番人気のある地図アプリである
Googleマップは、月間ユーザー数が1億5440万人に達しています。さらに、統計によれば、スマートフォンユーザーの67%がGoogleマップを積極的に利用していることが明らかになりました。
参照:wikipedia
理由②Googleマップは、旅行に関連するアプリの中でも最も人気
Googleマップは、旅行に関連するアプリの中でも最も人気があります。
実際に、「Apptopia」という調査会社によると、Googleマップは2021年だけで1億600万回もダウンロードされました。これは、その信頼性と使いやすさが多くの人々に高く評価されている証拠です。
旅行を計画する際には、Googleマップが頼りになる存在となっています。
理由③Googleマップは世界220以上の国と地域でサービスを提供している
Googleマップは、世界中の220以上の国と地域でサービスを提供しています。
日本を含む220を超える国と地域でGoogleマップが利用できるため、多くの旅行者が利用しています。
そのため、自分の店舗をGoogleマップに登録しておくことで、多くの人々にアクセスしやすくなり、集客に繋がると言えるでしょう。
具体的なインバウンドMEO集客対策について
インバウンドMEOの施策内容について解説していきます。
まず、効果的なインバウンド集客のためには、ローカルSEOの評価ポイントを押さえておくことが重要です。
前提、ローカルSEOでは以下の3つのポイントが検索評価に大きく影響します。
- 検索キーワードとの関連性
検索されるキーワードとビジネスの関連度が高いかどうかが評価されます。 - 店舗とユーザーとの距離
検索しているユーザーの位置情報や地域名から見た店舗との距離の近さが評価要因です。 - 店舗や企業の知名度(視認性)
ビジネスの認知度や口コミ、言及されたコンテンツの存在などが評価されます。
これらの評価を高めるためには、Googleビジネスプロフィールを最適化し、インバウンド向けの対策を行う必要があります。
具体的なMEOの施策については、ぜひお問い合わせください。
インバウンドMEO対策①Googleマップのビジネス名を多言語で登録
Googleビジネスプロフィール(旧Googleマイビジネス)の基本設定の言語は母国語で行われます。
ただ、せっかく自店舗が表示されているのに訪日外国人が読める言語になっていないがために来店に結び付かないという機会損失は防がなければなりません。
下図の『訪日外国人が困ったことランキング』にも、「多言語対応の少なさ」という項目がランクインする等、WEBだけでなく国内の整備も整っていない状態ですので早急な対策が必要だと言えます。
また、下図からわかる通り、飲食店内での多言語が未対応という部分以外に「飲食店を見つける」部分から困っている点もランクインしていることがわかります。
具体的な手順については、後述しますのでぜひ参考にしてみてください。
インバウンドMEO対策②翻訳されないビジネス情報は英語を表記
Googleビジネスプロフィールの情報には、商品やメニューなど、自動翻訳されないものが一部あります。
ビジネスプロフィールで自動翻訳されない主な項目は、ビジネスの説明、商品、メニュー、サービスです。
もしインバウンド集客をメインにしている場合、ビジネス名は来店が予想される方の言語に合わせて(英語や中国語など)、設定することをおすすめします。
また、ビジネスの説明や商品の情報などは、英語などの多言語を併記しておくことで、外国人でも理解しやすくなります。これにより、外国人ファーストな印象を与え、集客につながる可能性が高まります。
インバウンドMEO対策③他の地図プラットフォームへの登録
訪日外国客が利用するアプリやツールは、Googleマップだけに限りません。
日本ではあまり知られていないかもしれませんが、海外で人気のある旅行系アプリはたくさんあります。
Googleマップ以外でもよく使われるアプリは次の通りです。
- TripAdvisor
- Apple Maps
- Baidu
- Foursquare
これらは海外向けのサービスですが、日本の店舗情報も無料で登録できるものが多いので、できるだけ登録しておくことをおすすめします。
Googleマップ以外のアプリでも店舗情報を登録しておくことで、インバウンド客との接点が広がり、店舗の認知度も高まります。
また、これらのサービスは国際的に評価されているため、ローカルSEOのサイテーション評価としても効果が期待できます。
インバウンドMEO④:キャッシュレス決済の充実・決済情報の設定する
世界中で人気のあるApple PayやGoogle Payなどのスマートフォン決済や、中国では広く普及しているAlipay・Wechat PayなどのQRコード決済、UNION Pay(銀聯)、韓国のKakao Payなどは、外国人の方々にとって非常に役立つ情報です。
もし複数のキャッシュレス決済を導入している場合、これらの決済方法も多くの場所で利用できることがあります。一度確認してみてください。まだ導入していない場合は、この機会に導入を検討することもおすすめです。
Google ビジネスプロフィールでは、「お支払い」に関する情報を設定することができます。詳細はプロフィールの属性情報をご覧ください。
お支払いの設定情報は、Googleマップの店舗情報の詳細から確認できます。ただし、属性情報に設定できない決済方法もありますし、ここを見るユーザーがあまり多くないかもしれません。ですので、ビジネスの説明や投稿、質問と回答などで利用できる決済手段を積極的にアピールしておくと、より多くの人に知ってもらえるでしょう。
Googleビジネスプロフィールを多言語対応にしていないと・・・
Google検索には「自動翻訳機能」がついており、日本語でもGoogleビジネスプロフィール(旧Googleマイビジネス)情報を整備することで、訪日外国人の方々は自国の母国語で店舗情報を見ることができます。
下記図は検索エリアを「New York」に設定し、「fast food」と検索した場合の検索結果です。
多言語設定をしている店舗は、英語表記だったものが日本語表記となっています。
ただし、前述したビジネスプロフィール内の「多言語設定」をしていない場合、固有名詞であるビジネスプロフィール内の店舗名は自動翻訳の対象外となり、うまく表示がされません。※上記図は対策がされているため日本語表示でも正常に表示がされている例となります。
上記を、当社のビジネスプロフィールの多言語設定を解除した場合を例にしてご説明させていただきます。
【英語モードの場合】
【中国語モードの場合】
どちらも、ビジネス名が翻訳されていないことがわかると思います。
どのような店なのかわからないのに足を運ぶことは、不安も大きく来店までに非常に大きなハードルとなるでしょう。そのような不安を解消するために、店舗名の多言語設定を行う必要性があるといえます。
Googleビジネスプロフィールを多言語対応にする方法
1.自身が管理しているマイビジネスアカウントでログインする
まずは、自身が管理しているビジネスプロフィールアカウントでGoogleにログインし、自身のビジネスプロフィールを検索してください。
検索後、検索結果上部の設定タブから言語を選択してください。
2.対象言語への設定
今回は、英語を例として説明します。
「English」を選択し、保存をクリックします。
設定後、ビジネスプロフィールの表記が英語になったことがわかります。ここでビジネスプロフィール内のビジネス名を確認し、前述した当社のような日本語表記のビジネス名である場合は変更の必要があります。
変更を確認した後、
検索窓付近の「Maps」をクリックすると、下記のような画面に代わります。
切り替わった後に「Suggest an edit」をクリックしてください。
「Suggest an edit」を押すと画面が切り替わりますので、「change name or other details」をクリックし、下記の画面の対応に進みます。
当社の場合は、「Tryhatch inc.」と記入しました。「send」をクリックすることを忘れず、変更を申請しましょう。
ここまでが設定の方法となります。
多言語対応の設定後に確認すること
変更内容の確認をする
設定した英語表記のビジネス名に変更がされているかを確認してください。トライハッチの場合は、下記のように変更が完了されました。
設定後の言語を日本語表記される状態に再設定する
英語表記で表示がされる設定に変更しているため、設定前の日本語表記で表示される設定に戻すことを忘れないようにしましょう。
また、英語表記が正しく表示される設定をした同じ要領で、日本語表記への設定変更を上書き保存することが必要です。
この作業を行わない場合、日本語表記で検索した際にも英語表記のビジネス名で表示されることになりますのでご注意ください。
多言語設定語の検索結果における変化
言語を変更をした後の検索結果、順位がどう変化したのかについても紹介します。
弊社の飲食店のお客様を例として、赤い棒線がインバウンド対策をしたキーワードとなりますのでご覧ください。
【2019年8月頃】韓国語(ハングル文字)をビジネスプロフィールに登録し計測をしたところ、今まで圏外だった順位がすぐに4位と上位付近に上がっています。
【2020年4月現在】2位表示となり、安定した上位表示を獲得していることがわかります。
このように設定を変更するだけで、順位に影響が出ることがわかります。インバウンド対策として、訪日外国人の皆さんの目に触れる機会を作ることができるでしょう。
また、上位表示をされて目に留まることができた中で、相手の母国語となるビジネス名になることで機会損失は防げるはずです。
インバウンドMEO対策まとめ
本記事では地域の検索エンジン最適化(ローカルSEO/MEO)を活用した訪日外国人の集客方法について解説しました。
Googleビジネスプロフィール(旧Googleマイビジネス)を活用したローカルSEO(MEO)は、利用頻度の高い国内のユーザーへの対策として非常に重要な対策です。
しかし、訪日外国人への多言語対応が完備されていない日本の状態を考えると、Googleビジネスプロフィール(旧Googleマイビジネス)を活用したインバウンド対策は集客に有効な手段だと言えます。
インバウンドのMEO対策では訪日外国人が地域情報を検索した際に、地域の魅力をアピールするコンテンツを提供することが重要であり、店舗ビジネスにおいて、訪日外国人の集客は成長にとって重要な要素です。
自店舗でもインバウンド向けのMEO対策を導入することで、より多くの外国人観光客を集客し、競合店舗よりも、より多くの方に足を運んで貰える体制を作れると思います。
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新宿を本社とするWebマーケティング会社でマーケター・ディレクターとしてローカルビジネスのサポート経験を蓄積した後、トライハッチにジョイン。マーケティングチームMGRとしてクライアントから寄せられるGoogleビジネスプロフィール運用におけるコンサルティング・集客課題の解決や、MEOの調査・傾向分析を主に行う。同社にはフルリモートでのジョインであったが、2022年4月より、居住地である香川県高松支社の立ち上げ責任者として従事。2023年からはインハウスマーケターとして、BtoBマーケティングを主な業務としている。陸上自衛隊出身。