一般的に2階以上の空中店舗は、1階店舗と比べ人目に付きづらい点から集客が難しいと言われています。

しかし空中店舗でも工夫次第で、1階店舗の集客を上回ることが可能です。

ここでは、空中店舗ならではのメリットを活かした具体的な集客方法、事例についてご紹介します。

2階店舗の集客メリット・デメリット

メリット・デメリット

店舗を開く際に、1階店舗か2階以上の店舗を選ぶかを決断することは非常に重要です。

主に、2階店舗の集客のメリット・デメリットは以下の通りです。

2階店舗の集客のメリット・デメリット
  • メリット①:路面店舗と比べて家賃が安い
  • メリット②:隠れ家的なお店を作れる。
  • メリット③:候補となる物件が見つかりやすい。
  • デメリット:1階よりも集客力が劣る。

以下で詳しく解説していきます。

メリット①:路面店舗と比べて家賃が安い

ビルのテナントで、最も集客に有利となるのは1階の店舗です。

1階店舗は、お客様から店内の様子をイメージしやすく、さらに階を上がる手間がかからないため、入店の敷居を低くすることができます。

さらに、1階店舗は2階店舗よりも集客に有利なため、その分 家賃が高い傾向にあり、初期費用も含めると高額な予算が必要になってきます。

1階店舗は人気があり、空き店舗が出てもすぐに埋まることが多く、路面店の家賃の値引き交渉はきわめて困難です。

しかし、2階以上の物件は交渉の余地があります。希望者が少ない物件ほど、ビルオーナーも不動産会社も「早く借り手を見つけたい」と思っていますから、空き状態が長ければ長いほど譲歩してもらえる可能性は大いにあります。

また、飲食店を例にすると、飲食店の経営を圧迫するのは、多くの場合人件費や家賃、初期の設備投資と言われてます。この3つのうち、家賃を少しでも抑えることができれば、毎月の運転資金を大きく軽減することができます。

1階店舗では家賃が高くて開業を諦めていた地域でも、2階店舗であれば開業できることもあります。

また、これらで浮いた資金を設備投資、広告宣伝や販売促進費などに回す事が出来る事も2階店舗のメリットと言えます。このように工夫次第では、1階店舗以上の集客を展開できます。

メリット②:隠れ家的なお店を作れる。

1階店舗店のようにオープンでにぎやかな店で過ごしたいというお客様もいれば、にぎやかで人がたくさん集まる店より、落ち着いた個人店でゆっくり過ごしたいお客様も少なからずいます。

2階店舗は1階店舗店と比べ、通りから離れている分周辺環境の影響を受けづらいというメリットがあります。

具体的には騒音や悪臭の影響やゴミなどの見栄えです。これらを考慮せず、自身の作りたい店舗を作れるのはメリットと言えます。

そして、2階店舗には、1階店舗にはない、眺望の良さがあります。

人通りが多くざわついた空間になりがちな1階店舗に比べ、2階店舗では落ち着いた空間を演出しやすい傾向にあるでしょう。

特に高層階に構える飲食店では、夜景などを目的に訪れる人にも需要があります。

高層階店舗の集客ポイント
  • 地上の喧騒から離れたい
  • 隠れ家のような飲食店で落ち着いて食事と会話をしたい
  • デートなど、非日常を演出できる空間を楽しみたい

高層階でなくともこれらの要素を意識し、「地上の喧騒から離れたい」「隠れ家のような飲食店で落ち着いて食事と会話をしたい」という顧客への訴求がポイントとなります。

このように食事と会話を楽しみたい人たちをターゲットとするレストランは2階以上の店舗が適しています。実際に1階店舗では味わえない居心地の良さを感じてもらえれば、リピーターになってくれる可能性も高まるでしょう。

また、本気のお客様はネットで情報を集め、訪れる場所を事前に決めてやってきます。

内観や外観を作りこめる2階店舗は、工夫次第では、1階店よりも目立つプロモーションをかけることができますし、ロケーションを活かした店舗作りができます。

メリット③:候補となる物件が見つかりやすい。

2階店舗は、1階店舗ほどの人気はない為 候補となる物件が見つかりやすいというメリットがあります。

いくつも候補を見つけて比較検討すれば、人気エリアや自身の理想に近い場所にお店を構えられるでしょう。

デメリット:1階よりも集客力が劣る。

2階店舗は1階店舗と比べて視認性が低く集客力が劣ります。

人間の視点は自分の眼の位置より下を見るといいます。自分の身長よりも高い位置にある看板はお客様になかなか見ていただけないため、2階店舗は発見される確率が低いといえます。

たとえ認識してもらえても、店舗にたどり着くまでに階段やエレベーターを使わないと行けないというだけで、敬遠されてしまうこともあるでしょう。

また、条例やテナントによっては、厳しい制限が設けられていることもあり、目立つ位置に看板を設置したり、ポスティング広告が禁止になっていることもあります。そのため、2階店舗の集客はWebマーケティングに依存しがちになります。

一方、通りに面している1階にある店舗は、外から店内の様子をうかがえるという強みがあり、また常に多くの人の目に触れることができます。人は会った時間の長さよりも、接した回数が多いほど安心感を得ると言います。

入ったことがないお店の利用に抵抗を持つお客さんでも、毎日お店の前を通るうちに、お店に親近感を覚えて足を運んでみたくなるでしょう。

以上の事から、2階以上の店舗では、1階店舗以上に集客に力を入れる必要があります。

2階店舗の集客するべきターゲット

ターゲット

2階店舗で急いでいる人をターゲットにするのは苦労するかもしれません。

例えば、なるべく早く食事を済ませたいと思っている人は、外から中の混雑状況が分からない店の利用をわざわざ検討しないでしょう。

また、階段を使うのが面倒だと思っている可能性もありますので、ターゲットには適していません。

主に2階店舗に向いていないと言われる業態は、客単価が低く回転率の高いラーメン店や牛丼店などです。

それらの客層は、ビジネスマンなど基本的に「急いでいる」人たちであり、料理の提供時間も含め、スピード性を重視しているため、混雑状況がわからない店舗は避ける傾向にあります。

反対に2階店舗は、1階店舗と比較し視認性において大きく劣る為、目的客が大部分となります。

2階以上の店舗のターゲットとしては、「地上の喧騒から離れたい」「隠れ家のような空間で落ち着いて食事と会話をしたい」というニーズを持つ人です。

このような人は、1階店舗はかえって落ち着きを感じづらいため、窓から常に人の往来が見える1階の店舗よりも2階以上の店舗を選びやすいでしょう。

また、雰囲気を作り込みやすい2階以上の店舗は、訪れたことのない魅力的な店を探している顧客や、何度も通える素敵な店舗を探している顧客もターゲットにしやすいです。

特に以下のようなお客様は2階店舗のターゲットとして適しているでしょう。

2階店舗のターゲットインサイト
  • 落ち着いて食事を楽しみたい
  • 誕生祝いに使いたい
  • ビジネスの商談がしたい
  • 非日常感のある空間で過ごしたい

こうしたお客様には客単価が高く、滞在時間が長めのバーやレストラン、和食店が向いているといえるでしょう。

2階店舗の集客で考えるべき3つのこと

考えるべきこと

2階店舗の集客で考えるべきことは主に以下の3つがあります。

2階店舗の集客で考えるべきこと
  • 入りやすさを考える
  • web経由での来店を増やす
  • 宣伝する内容を精査する

ここから詳しく解説していきましょう。

入りやすさを考える

内観の雰囲気が伝わりにくい2階店舗は、いかに2階に上がってきてもらうのか、入りやすさを工夫することが重要です。

飲食店ならば、お客さん側からの店内の情報が伝わる事が特に重要となります。おしゃれで清潔感のある内装でない場合、やはりお客さんは入店をとまどうものです。

店内の様子を確認できないとなれば、興味を抱くことすらできなくなるでしょう。

また、内装に限らず実際にどれほどのお客さんが入っているのかも入店の基準となるため、重要となります。

2階に行くまでの動線上で物が置かれていないか、暗い印象ではないかなど、「入りにくいと感じる」要素はないか考え、改善をしていく必要があります。

分かり難い位置にある物件の場合は、物件選びの段階で外した方がよいでしょう。

Web経由での来店を増やす

目的客がほとんどとなる2階店舗は、Webと相性が良いです。

Webを活用する場合は、よりイメージが伝わるよう、清潔感のある店内が写っている内観や店舗を見つけやすくするような外観が分かる写真をHPやGoogleビジネスプロフィールに載せましょう。

また、住所や電話番号、予約フォームを設置し、目的客が調べた際にすぐに来店に繋がるような情報を載せるといいでしょう。

宣伝する内容を精査する

常に同じ内容ばかりだと新鮮味にかけ、店舗に関心を持たせる事は難しいため、宣伝内容を精査する事も大切です。

季節限定メニューやイベント、キャンペーンなどターゲットとなる顧客に来店したくなるような目的を持たせる内容にする事がポイントです。

2階店舗の具体的な集客方法6選

2階店舗の集客方法

2階店舗の集客のポイントを解説してきましたが、ここからは具体的な集客方法について解説していきます。

2階店舗の具体的な集客方法6選
  1. ポータルサイトへの登録
  2. MEO対策
  3. SNSを活用
  4. LINE公式アカウントの解説
  5. 看板、昇り、ボードの設置
  6. 広告、チラシの活用

これらの集客方法を理解し、実践していくことで集客課題を解決することが可能です。

ポータルサイトへの登録

ポータルサイトとは欲しい情報や資料がまとめられているサイトのことです。

例えば、飲食店なら「食べログ」「ホットペッパーグルメ」。美容院やサロン系なら「ホットペッパービューティー」などがあります。

アクセスを集めるためのSEO対策はポータルサイト側が行っている為、登録するだけで簡単に集客することが可能となります。

MEO対策

MEO対策とは、Map Engine Optimizationから頭文字を取った略称であり、マップエンジン最適化の事を指します。

具体的には、Google検索やGoogleマップ内の検索において、特定のキーワードが検索された際に、自社の店舗情報やビジネス情報を上位に表示させることにより、ユーザーの目に触れる機会を増やし来店に繋げる対策です。

MEO対策は「ローカルSEO」とも呼ばれ、飲食店や美容院といった店舗経営の業態で大きな効果を得られる集客方法として近年注目を集めています。

こんなにもMEOが注目されるようになった背景としては、スマートフォンの普及により、GoogleMapを利用して目的地を探すユーザーが増えたためです。

店舗や周辺施設の情報を検索するようなユーザーはもとから明確な目的を持っている場合がほとんどです。そのため、ユーザーが次のアクションに繋げやすいという特徴があります。

たとえば、GoogleMapでは店舗の詳細情報が掲載できるため「Webサイト」「電話番号」などのリンクからユーザーがすぐに店舗情報の取得や予約の問い合わせが可能です。

このようにユーザーがストレスなく次のアクションに繋げられることは、集客では大きなアドバンテージとなります。

また、SEO対策などの他のマーケティング手法と比較し、効果が出るまでの期間が早く、投資対効果が高いのが特徴です。

SNSを活用

現代であれば、SNSを活用して集客する方法も有効です。

来店者を増やし集客をするためには、まず自分のお店を知っていただかなければなりません。店舗をどういった雰囲気にするのかコンセプトが固まったのならば、SNSなどの拡散力を借りてお店の「発信」を行いましょう。

SNS利用ユーザーは今や国内だけでも8,000万人以上ものユーザーが存在すると言われております。利用者が多いほど、それだけ拡散力・宣伝効果があるということになります。

SNSと一言でいっても、Facebook、Twitter、InstagramなどさまざまなSNSがありますが、店舗の宣伝を行うためには、拡散性の強いInstagramやTwitterがおすすめです。

InstagramやTwitterの強みは、無料でアカウントを作成できる手軽さと利用ユーザーの多さ、店舗やメニューに関する話題を検索、閲覧しやすくなるハッシュタグや撮影した場所が表示される位置情報を活用できる点です。

新メニューや限定品などの宣伝を行い集客をしていきましょう。

店舗で写真を撮ってくれたお客様の投稿が拡散されることで多くの人の目にとまり店舗に興味を持つきっかけになります。

SNS上で店舗のおしゃれな写真やお得な情報を発信し、集客ツールとして上手く運用することができれば、2階店舗のデメリットも補う事が可能です。

LINE公式アカウントの開設

2階店舗の集客で重要なのは、リピーターを確保することです。リピーターを定着させるには、LINE公式アカウントを活用が効果的です。

「LINE」とは、国内トップシェアを誇るメッセージアプリです。LINEには通常アカウントの他に公式アカウントが存在します。

LINEは近年、マーケティングツールとしても注目を集めており公式アカウントを導入する企業、事業者が増えています。

幅広い業種や地域で効果が見込まれるため、WebマーケティングやSNSマーケティングに力を入れられない事業者にオススメです。中でも、顧客との関係性が売上に直結する実店舗ビジネスでは、積極的にLINE公式アカウントを活用すると良いでしょう。

LINE公式アカウントの活用方法

LINE公式アカウントは、アカウント開設から運用まで無料で実施でき手軽に始めることが可能です。

通常のメッセージ機能に加え、予約フォーム、チャットボットの設置、スタンプカード機能、クーポン配信機能等を無料で使用できます。

実際に自社サイトを運用し、予約フォームを掲載している店舗も存在します。しかし、それ以外にも電話での直接予約やメール予約、ポータルサイト経由の予約など、様々な窓口から予約が入ることもあります。

これらの予約窓口をLINEに統合すれば、ユーザーが予約するまでのハードルを低くしつつ、予約管理の手間を大幅に削減できるでしょう。

また、国内のほとんどのスマホユーザーがLINEを活用しているため、「LINEで簡単に予約できる」という状態は、いちいちWebサイトに情報を打ち込んだり、電話をかけたりするよりも手間が少なく、ユーザーにとって大きなメリットとなります。

チャットボットでは、事前に特定のキーワードとそれに対する返答を用意しておけば、ユーザーからのチャットに対して自動返信をしてくれるため、ユーザーの待ち時間を減らしつつ顧客対応のコストも削減が可能です。

ユーザーがストレスを感じることなく、予約や質問を完了させられるため、顧客満足度を高められるでしょう。また、実店舗ビジネスではなかなか人的コストを割けない、これらの業務を自動化できるのは店舗経営者に取って大きなメリットとなります。

公式アカウントからメッセージやクーポンを送ることで、まだ来店したことのない新規顧客に存在を認知してもらえたり、既に何度も来店しているユーザーに対しては存在感をアピールし、日常の中で自然に思い出してもらえます。

結果として、LINE公式アカウントを適切に運用できれば、自店舗に興味を持ってくれるユーザーと距離を縮めたり、リピーターの獲得や来店頻度の向上に繋がったりといった好循環を生み出せるので、実店舗ビジネスとの相性が良いと言えます。

LINEはSNSとは異なり、ユーザーの日常に深く結びついたアプリです。上記にあげた機能を使い、イベントや新メニューなどの新着情報を配信を行い、リピーター獲得をしていきましょう。

看板、昇り、ボードの設置

2階店舗のデメリットは視認性の悪さです。

1階店舗の場合、店舗の存在自体が看板や広告の役割を果たしてくれますが、人目につきにくい2階以上の店舗ではそうもいきません。

そこでオススメしたいのは、のぼりや看板を設置し、店舗の存在をアピールする施策です。

のぼりや看板にメニューやイラスト、価格を記載するなど、工夫を凝らすと顧客が店舗の存在を意識しやすくなります。

お客様が来店する際に不安を感じさせるような店舗にならないように、初めて店に入るお客様でも、この店はどのような店であるかを分かりやすく提示することが重要です。

階段や路面に店舗の広告物、イメージが出せる場合は不安感を取り除くため、内装写真やメニュー内容、料金などをしっかり明記しましょう。

飲食店の場合は、時間帯によってランチメニューを設置するなどアピールする方法を変えるとより効果的でしょう。

「手間はかかるけど来店してみたい」と思わせるユニークさや、個性的な謳い文句で顧客にアピールする事を考えていく事が大切です。

広告、チラシの活用

SNSが普及した今でもチラシやフリーペーパーの活用は効果的です。ティッシュと合わせて店舗前で配れば店舗の宣伝や直接来店に繋げる事もできます。

SNSの活用は若い世代に店舗をアピールする際に集客効果が見込めますが、アカウントを持っていない人や、中高年をターゲットにしている場合は、SNSでのアプローチは顧客に届きません。

店舗の周辺にいる顧客や地元の人に向けてアプローチしたい場合には、チラシやクーポンの配布が集客の検討手段として挙げられます。

チラシは新聞に折り込んでもらうことで、年配の顧客や地元の人にもアピール層を広げられます。

また、チラシやクーポンのデザイン、紙質やサイズなどにもこだわることで、他店舗との差別化を図ってみるのもよいでしょう。

まとめ

まとめ

2階店舗は一般的に人目に付きづらいという点から、1階の店舗より集客が難しいと言われています。そのためデメリットばかりに目が行きがちです。

しかし、2階店舗でもしっかりと利益を伸ばしている店舗もあります。2階店舗には眺望や内観を工夫することで特別感を演出できたり、1階店舗よりも家賃が安いことで人気エリアに出店を検討できたり、運用資金工夫をする事で内装や設備投資に繋げられたりと1階店にないメリットが沢山あります。

メリットを活かした運営をし、集客をしていきましょう。

2階店舗の集客で一番重要なことは、リピーターを確保することです。リピートしてくれるかはお店の雰囲気とコンセプトが一致しているかが重要なポイントとなります。

お店の雰囲気とコンセプトを統一する事で「人目を気にせずおしゃべりしたいからあの隠れ家カフェに行こう」「クラシックな音楽を聴きながらお酒を飲むならあそこのバーがいいな」などと、シーンごとに顧客が思い出してくれるきっかけにもなります。

「隠れ家カフェ」「ネオ居酒屋」など、独自性がある、あるいは他者と差別化できるコンセプトを決定し、それに即したメニューや空間作り、情報発信の戦略を練りましょう。

コンセプトに沿ってSNS運用やチラシ、店内の雰囲気などに統一感を出すことで、顧客は店舗に対するイメージが湧きやすくなります。

リピーターがいる店舗とは「わざわざ行ってでも食べたいメニュー」や、「受けたいサービス」があるからに他なりません。そんな魅力を作るためにも、まずは「自分がお客様の立場だったら」という視点を持ち店舗の運営をしていく事が大切です。