感染症対策に時間や労力を大きく割いている飲食店にとって、店舗集客を進めて売上を伸ばすことは重要な課題となっています。
本記事では、ホットペッパーグルメの概要やメリットデメリット、掲載料について解説したうえで、他のWeb施策との違いを具体的にご紹介します。
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こんな方におすすめ
- 飲食業界の店舗オーナー様
- 飲食業界の集客担当様
- 飲食業界の企業様でGBP運用を強化したいと考えている方
ホットペッパーグルメとは?
ホットペッパーグルメは、トップクラスの利用者数を誇るグルメサイトです。種類豊富な飲食店が揃っており、24時間ネット予約できることもあって、多くのユーザーが利用しています。
そんなホットペッパーグルメには掲載料無料で利用できるプランがあります。無料掲載プランでは、月々の掲載料が発生しませんが、ネット予約が入った場合、予約人数分をポイント料とネット予約利用料として支払う仕組みになっています。
無料掲載プランにかかる料金は以下のとおりです。
予約の時間帯 | ポイント料 | ネット予約量 | 合計金額 |
---|---|---|---|
朝食・昼食の時間帯 7:00から14:59の来店 | 10円 ※非課税 | 44円 (税込) | 54円(税込)×人数 |
夕食の時間帯 15:00から翌朝6:59の予約 | 50円 ※非課税 | 165円 (税込) | 215円(税込)×人数 |
そして、ホットペッパーグルメには、毎月決まった金額の掲載料を支払う有料プランも用意されています。
- 無料掲載プランよりも検索結果が優位になる
- クーポン掲載枚数を増やすことができる
- ネット予約利用料がかからない
ホットペッパーグルメでは有料プランについて地域ごとに料金が異なることなどから、プランごとの掲載料をホームページに記載しておりません。そのため、有料プランに移行する場合、ホットペッパーグルメのフリーダイアルなどを利用して確認する必要があります。
まずは、無料プランをお試し利用してホットペッパーグルメの使い方に慣れてから、有料プランへの移行を検討しましょう。
リクルートが運営する飲食店のポータルサイト
ホットペッパーグルメを運営しているのは、ポータルサイトを多数運営している株式会社リクルートです。
リクルートが運営している主なポータルサイトを確認してみましょう。
- 人材支援サイト「リクナビ」「リクナビNEXT」「はたらきく」など多数展開
- アルバイト・パートのお仕事情報「タウンワーク」
- 中古車情報やカー用品などの自動車情報「カーセンサー」
- 国内海外の旅行情報「じゃらん」「じゃらんコーポレートサービス」
- 美容院やスクールなどの情報「ホットペッパーグルメ」「ホットペッパービューティー」
- 婚活・結婚・出産育児に関する情報「ゼクシィ」
株式会社リクルートは、Webサービス、アプリ、情報誌の発刊など、幅広い分野でポータルサイトを運営しています。
各分野で培ったノウハウや知識をホットペッパーグルメにも注力していることから、お気に入りのお店を見つけたいユーザーも飲食店を運営するオーナーも、質の高いサービスを受けられます。
エリアや業態に合わせてユーザーが好きなお店を検索できる
ホットペッパーグルメは、検索機能が充実しています。北海道から沖縄まで日本全国のお店を検索できるほか、レストランやカフェなど気になる業態から検索して好きなお店を見つけることも可能です。
ユーザーが効率的に目的のお店を見つけられるように、飲食店のジャンルも詳細に分別されています。
和食や洋食、中華といった大きな分類から、タイ・ベトナム料理、懐石・割烹料理といった詳細な分類の検索も可能です。
エリアや業態だけでなく、「女子会」「歓送迎会」「デート」などの利用目的やシーンから探せるのも大きな魅力です。種類豊富に用意されているため、幅広い利用方法も可能です。
優れたUIと市場シェアで集客力の向上が見込める
ホットペッパーグルメは、ユーザーに配慮した使いやすさも強みです。ホットペッパーグルメのアプリは、直感的に操作できるボタン配置となっており、説明書がなくても操作可能。スマホの操作に慣れていない方も簡単に使えるため、誰でも使いやすいと評判です。
お得に飲食店を利用できるクーポンも使いやすい設計になっています。お店のホームページには、基本情報と一緒にクーポンが掲載されており、利用したいクーポンをクリックして画面に表示させるだけで利用できます。クーポン券をなくす心配もなく、どこでもいつでも簡単に手に入るのも便利です。
また、ホットペッパーグルメには、即予約できるお店が4.2万件以上掲載されており、他のグルメサイトと比較しても最も多い店舗数です。
- ホットペッパーグルメ 43,322店
- 食べログ 30,197店
- ぐるなび 23,410店
参照元:東京商工リサーチ|飲食店予約サイトのネット予約対応店舗数No1調査結果
掲載されている店舗数が多いと、ユーザーは多くの店舗を確認できます。比較検討もやりやすくなるため、お店選びに失敗したくないユーザーから高評価されています。
ホットペッパーグルメは、市場シェアの高さと使いやすさから、これからも多くのユーザーに支持されていくでしょう。
ホットペッパーグルメを使うメリット
ホットペッパーグルメを使うメリットを3つに厳選してご紹介します。
- マーケティングの知識がなくてもWebマーケティングが行える
- Webサイトを用意しなくてもユーザーに見つけてもらえる
- クーポン配布や予約管理の手間が削減できる
それぞれみていきましょう。
マーケティングの知識がなくてもWebマーケティングが行える
ホットペッパーグルメに登録すると、お店にアクセスしたユーザーがどのようなキーワードで検索してきたのか、確認できるようになります。キーワードを集計して分析すると、お店の強みや弱点などが確認できるでしょう。
また、お店を掲載する際に、ホットペッパーグルメの専任スタッフがホームページ作りをサポートしてくれます。料理やドリンク、テイクアウトメニューの説明文章の添削や写真選定に具体的なアドバイスをもらうことが可能です。
さらに、お店のページからネット予約したユーザーに、割引に利用できるポイントが付与されます。たまったポイントを使ってお得にお店を利用できるため、リピーターの増加も期待できます。
Webサイトを用意しなくてもユーザーに見つけてもらえる
ホットペッパーグルメに登録すると、登録された情報を元にお店のホームページが作成されます。自社のWebサイトを用意しなくても、ユーザーがさまざまな検索キーワードを使って、あなたのお店を見つけられるようになります。
お店の情報には、店名や住所といった基本情報にくわえて、食事やドリンクなどのメニュー表も掲載できます。提供するメニューに、「お寿司」「タイ料理」などとジャンルを設定すれば、同じジャンルを探しているユーザーの手元にあなたのお店も表示されるのです。
また、ホットペッパーグルメは、「今から利用できる近くの居酒屋」といった複数の条件にも対応しており、検索条件にマッチしたユーザーにもお店の情報を提供してくれます。
つまり、自分でホームページなどのWebサイトを用意しなくても、ホットペッパーグルメが顧客とお店の仲介役を担ってくれるのです。その他にも、ホットペッパーグルメはネット広告サービスも提供しています。自分で広告を出す労力やお金を節約したい方は利用を検討してみましょう。
クーポン配布や予約管理の手間が削減できる
ホットペッパーグルメの店舗管理を利用すれば、クーポンの配布や予約管理の手間を削減できます。
オーナーが店舗管理画面からクーポンを設定しておけば、ユーザーはお店のトップ画面からクーポンをクリックするだけで獲得可能になります。クーポンの利用を利用するときは、クーポン表示画面をお店のスタッフに見せるだけなので、紙のクーポンを用意する必要もありません。
また、ホットペッパーグルメのネット予約機能により、電話対応や来客対応する手間も削減できます。あらかじめ利用人数の上限を設定しておけば、ホットペッパーグルメが自動的に満席表示に変更してくれます。少人数で運営している店舗やサービス提供に集中したい店舗にとって頼りになる機能でしょう。
また、ホットペッパーグルメは、リクルートが提供している予約台帳アプリ「レストランボード」と連携できます。レストランボードは、飲食店の予約状況と空席状況を一括して管理できるアプリです。ホットペッパーグルメと連携することで、パソコンとスマートフォンの両方で予約管理が可能になります。
ホットペッパーグルメを使うデメリット
ホットペッパーグルメの運用を後悔しないために、デメリットも把握しておきましょう。
掲載料がかかる
ホットペッパーグルメの無料プランを利用すると、毎月かかる掲載料を抑えられるのはメリットです。
しかし無料プランには、以下のデメリットがあります。
- 専門スタッフのサポートがない
- 本誌掲載されない
- 有料プランよりも検索結果が上位に表示されにくい
- ネット広告配信がない
Web集客するうえで、検索結果の順位が下がるのは無視できないデメリットです。そのため、多くの経営者は有料プランに移行します。
ホットペッパーグルメにはいくつかの有料プランがありますが、いずれも利用できるサービスが増えると料金も高くなります。また、地域によって掲載料が異なるのも、店舗を複数運営するオーナーの悩みの種になるかもしれません。
掲載される情報の自由度が低い
ホットペッパーグルメでは、集客に不可欠な基本情報を掲載できるほか、お店の外観や提供する食事の写真などでお店の魅力をアピールできます。
しかし、動画をユーザーに配信してお店の魅力を伝えるといった使い方はできません。ホットペッパーグルメのユーザーに動画を視聴してもらいたい場合を考えてみましょう。まずホットペッパーグルメにホームページなどを掲載し、次にユーザーにホームページをクリックしてもらわなければいけません。ホットペッパーグルメには多くのお店があるため、そこまで誘導するのは困難でしょう。
また、Googleマップの投稿機能のように、最新情報をリアルタイムに発信する機能はありません。急な休みを告知できなかったりと、ユーザーに届けられる情報には限りがあります。
ホットペッパーグルメのメリットをいかして、さらに集客を進めるためには、自分でWeb集客を始めるのがおすすめです。
ホットペッパーグルメだけじゃない!自分で始めるWeb集客方法
自分で始めるWeb集客方法を4つご紹介します。
- SNSマーケティング
- LINE公式アカウント
- webサイト運営
- MEO対策
それぞれみていきましょう。
SNSマーケティング
SNSマーケティングの主な特徴は、以下のとおりです。
- 拡散力が高い
- お店のファンをつくりやすい
- フォロワーにいつでもお得な情報を届けられる
- 顧客同士につながりができる
- 費用を抑えて広告を配信可能
Web集客の中で自分で始めやすいのがSNSマーケティングです。パソコンやスマートフォン、タブレット端末といったインターネット接続できる端末があれば誰でも始められるほか、多くのSNSツールは新規アカウント作成が無料で行えます。
こちらでは、利用者が多いSNSツールを表にまとめてみました。ご紹介するのは、Twitter、Facebook、Instagram、YouTube、TikTokの5つです。
SNSツール | ユーザーの年代 | 全年代の利用率 | 特徴 |
---|---|---|---|
主に10代から50代 | 42.3% | 140字までのメッセージ投稿 リツイート機能 すきま時間で投稿できる 拡散力が高い | |
主に20代から60代 | 31.9% | 実名登録も可能 情報の信ぴょう性が高い 企業の公式サイトも多い | |
主に10代から50代 | 42.3% | 写真や動画の投稿に特化している 女性の利用率が高い | |
YouTube | 10代から60代 | 85.2% | 子どもから高齢者まで幅広い人が利用 ユーチューバーを起用した広告方法も可能 利用しているユーザーが最も多い |
TikTok | 主に10代から30代までの若者 | 17.3% | 10代から20代の若者が多く利用している |
どのツールも無料で入手できます。
Twitterの投稿を利用した例として、お店のアカウントをフォローしてくれたり「いいね」をしてくれた方に、無料でプレゼントを差し上げるといったキャンペーンはいかがでしょうか。「お店の投稿をリツイートしてくれたら、料金を5%オフにする」といった手法もおもしろいかもしれません。ほかにも、思わずクリックしたくなるような方法を考えてみましょう。
ただし、Twitterに限った話ではありませんが、SNSツールで投稿する内容は世界中の人が閲覧できます。内容によっては炎上のきっかけになるので、投稿内容は常識的なものを心がけましょう。
フォローしてくれたユーザーには、定期的に情報を届けられます、そのため、1人のユーザーをリピーターにまで誘導することも可能です。
ユーザー離れを防ぐために定期的な更新が必要ですが、従業員と協力したり投稿内容を工夫したりすれば、外部の事業者を利用せずに発信を続けられるでしょう。
LINE公式アカウント
LINEは、日本で最も利用されているSNSツールです。「令和2年度情報通信メディアの利用時間と情報行動に関する調査報告書」によれば、全世代の90.3%の人がLINEを利用しています。
そんなLINEを利用してSNSマーケティングを行えるのが、LINE公式アカウントです。
LINE公式アカウントとは、企業やお店がユーザーと直接つながることのできるビジネス専用のアカウントです。
友だち登録でつながったユーザーに、LINEでさまざまな情報を届けられます。現在では、37万を超える企業や店舗がLINE公式アカウントを利用して、SNSマーケティングを行っています。
LINE公式アカウントを利用すると、お得な情報をリアルタイムでユーザーに届けられるほか、友だち登録したユーザーの情報で顧客管理も行えます。たとえば、「キャンセルが発生しました。今なら2名様ご予約可能です」といった告知も行えるため、お店の状況に合わせた対応もできます。
普段からLINEを使い慣れている人なら、気軽な気持ちではじめられるでしょう。
LINE公式アカウントには3種類の料金プランがあります。
プラン名 | 月額料金 | 無料メッセージ件数 | 追加メッセージ料金 |
---|---|---|---|
フリープラン | 無料 | 1,000円 | 利用不可 |
ライトプラン | 550円 | 15,000円 | 5円 |
スタンダードプラン | 16,500円 | 45,000円 | 1.1円から最大3円 |
すべてのメッセージが課金対象ではありません。LINEチャットの送受信、自動応答メッセージ、あいさつメッセ―ジなどは無料になります。
公式LINEアカウントについて、より詳しく知りたい方は「店舗オーナー必⾒!公式LINEを活⽤した集客⽅法を事例を元に解説」もご参照ください。
Webサイト運営
お店のホームページやブログなどのWebサイトを運営すると、Google検索などからユーザーを集客できるようになります。サイトに魅力を感じてもらうことで、集めたユーザーを顧客化できるのが強みです。
特にGoogle検索で上位表示されるWebサイトを運営できると大きな効果を見込めます。なぜなら、Google検索は、世界で最も利用されている検索エンジンであり、多くのユーザーがGoogle検索を通じて目的のWebサイトにたどり着くからです。
お店のWebサイトが、ユーザーの役に立つサイトであることが前提条件になりますが、固定ファンがつけばお店の情報を継続的に伝えられます。お得な情報を受け取ってもらうことで、何度もお店を利用してくれるリピーターにもつながるでしょう。
ちなみに、ホームページやブログの運営にかかる費用はレンタルサーバー代です。検索エンジンにお金を支払うことはないため、毎月1,000円から2,000円の費用で運営できます。
Abemaやnoteといったサーバーを無料で利用できるサービスもありますが、表示速度が遅くなるケースなどデメリットが存在します。そのため、Webサイト運営で確実に集客をしたい方は、有料のWordPressを検討してみましょう。
MEO対策
MEO対策も有効なWeb集客方法です。
MEO対策とは、Google検索やGoogleマップにおいて、特定のキーワードで自分のお店やサービスの情報を上位表示させるための対策になります。MEOとは、Map Engine Optimization(マップエンジンオプティマイゼーション)の頭文字をとったもので、マップエンジン最適化を意味します。
Google検索やGoogleマップで上位表示されると多くのユーザーの目にとまり、利用を検討してくれるため、結果として集客率向上が見込めます。
たとえば、行きたいお店やサービスがあって詳しい情報がわからない場合、ユーザーはGoogleマップの店舗写真や口コミを確認します。情報を確認して利用したいと思えば、その場でネット予約したり、電話で気になる点を確認したりと具体的な行動を起こしてくれます。
Googleマップでは、現在地からお店までのルートをナビ機能で案内してくれるため、行ったことのないお店も安心して探せるのも大きなメリットです。
また、自分ではじめやすい理由として、Googleビジネスプロフィール(旧Googleマイビジネス)の利用しやすさが挙げられます。Googleビジネスプロフィール(旧Googleマイビジネス)に店名や住所、連絡先といった情報を入力するだけでWeb上に自分のお店が表示されます。店舗写真を掲載することでお店の魅力をわかりやすくユーザーに示すことも可能です。
さらに、Googleビジネスプロフィール(旧Googleマイビジネス)には、自分から外部に発信できる投稿機能があります。店舗のオーナーや従業員が、お店の最新情報やお得なキャンペーンを告知できるので、ユーザーに親近感を覚えてもらいやすいのもポイントです。
ホットペッパーグルメも活用しつつその他の施策も検討しよう
ホットペッパーグルメはその他のWeb施策を併用することで、大きな集客効果も見込めます。集客の方法をいくつか持つことで、相乗効果も生み出せるでしょう。
今回の記事を参考に、ぜひお店にあった集客方法を選択して希望する売り上げを達成してください。
- 【飲食業界必見】独自調査から導き出すGoogleビジネスプロフィールの運用方法レポート
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こんな方におすすめ
- 飲食業界の店舗オーナー様
- 飲食業界の集客担当様
- 飲食業界の企業様でGBP運用を強化したいと考えている方
前職ではホテル業に従事し店舗運営に関わる集客やSNS運用を経験。
現在はトライハッチにて、実店舗で培ったマーケティング経験を武器に、MEO対策でのコンサルタントとして、主に数十店舗から数千店舗までの企業様のコンサルティングを担当。
毎月発信のMEOトレンドレポートなども作成。