Webの発達により、誰でもどこでも店舗の口コミを閲覧できるようになりました。
その結果、Web上の口コミの評価が飲食店の売上に大きな影響を与える時代に変化しました。
Web上の口コミにはサクラなどの課題もあるものの、実際に訪れた人のコメントで客観的な意見を見れることは、来店への動機付けに非常に重要なポイントとなります。
この記事では、集客を左右する口コミの活用の仕方を例文を用いて解説。最後まで読むと、具体的な戦略や獲得テクニック、口コミ管理方法などまでわかります。
ぜひ参考にしてみてください。
口コミの力を最大限に活用する

口コミの利用は、飲食店の運営に非常にメリットがあります。
最大限に口コミを活用するには、まずは以下の2つを念頭に入れておく必要があります。
- 口コミが飲食店ビジネスに与える影響
- 口コミのメリットとビジネスへの貢献度
詳しく解説していきます。
口コミが飲食店ビジネスに与える影響
数年前までは飲食店を探す方法がグルメサイトでしたが、ネットの普及やスマホなどの機能向上により、近年はGoogle検索やGoogleMapsと、グルメサイトを併用するシーンが増加しました。
Googleが活用される理由は、以下のようなものが考えられます。
- グルメサイトの信頼性の低下
- Google検索・GoogleMapsの便利さ
このような観点から、GoogleやSNSの口コミは飲食店の集客の大きなカギとなってくるでしょう。
将来的にもこの傾向は強くなると予想されるため、飲食店は評価の高い口コミを集める対策が必要になります。
口コミのメリットとビジネスへの貢献度
口コミを強化することで得られる飲食店の主なメリットは、以下の2点です。
- MEO(マップ検索エンジン最適化)対策として効果がある
- 送客手数料が必要なグルメサイトからの利用率を下げることができる
MEOとはMap Engine Optimization(MAP検索エンジン最適化)の略。GoogleMapsで検索の結果が上位表示されるための施策のことです。
検索結果が上位表示をされると、多くの人にお店を知って貰えるため、より高い集客が期待できます。
また、グルメサイトでは掲載料の他に、予約時の送客手数料を支払わなければなりません。
飲食店は送客手数料を8〜10%程度とられるので、グルメサイトに頼らない集客が可能になれば、経費を削減できるため広告コストを下げて集客を行うことも可能です。
顧客体験を高める具体的な戦略

評価の高い口コミを集めるためには、顧客体験の向上が不可欠です。
店舗のサービスや料理の技術を上げたとしても、お客様の満足度が低ければ良い評価を得ることはできません。
飲食店で高評価の口コミを得るためには、以下の2つをお店全体で共有し意識することが大切です。
- 顧客体験向上のための接客改善
- 清潔感の維持
詳しく説明していきます。
顧客体験向上のための接客改善
接客の質はお客様の満足度をあげるために欠かせません。
基本的な接客の仕方はもちろん、印象に残りやすい高い接客を行えば良い評価につながります。
そのためには、挨拶や身だしなみといった接客基礎の徹底を始め、スタッフ同士のスムーズなやり取りやお店の雰囲気づくりなどを整えることが重要になります。
人によって教え方が変わらないように、マニュアルを制作しておくのも接客のレベルを向上させる有効な手段です。
清潔感の維持
飲食店の清潔感は、お客様の口コミに大きく関わります。店内に訪れた際に注目される重要ポイントの1つのためです。
清掃が行き届いていないと、お客様を不快な気持ちにさせてしまい、評価を下げる原因になります。
毎日開店前と業務中の清掃を実施し、店舗前やテーブルまわり、トイレなどを常に綺麗にして清潔感を保ちましょう。
掃除の難しい備え付け業務エアコンなどは、定期的に専門業者に依頼するのをおすすめします。
自店舗の口コミの改善点を知るためには?

先ほど述べた清潔感や接客の注意点はあくまでも一般論です。
実際には、店舗運営を通して顧客から多くのフィードバックを口コミを通してもらえています。
特に悪い口コミは、飲食店側で気が付かない欠点を見つけられるため、参考にして改善に繋げられます。
また、検索する際に、悪い口コミはリアルな体験を反映しているので参考にされやすく、当然ながら、悪い口コミが増えれば集客力が低下します。
単なる意見だと軽視せず、真剣に対応して、飲食店の経営方向を改善していくことが重要です。
- Googleビジネスプロフィールの口コミを分析する
- Googleビジネスプロフィールのプロに分析を依頼することも検討
上記2つについて詳しく説明します。
Googleビジネスプロフィールの口コミを分析する
Googleビジネスプロフィールには大量の口コミが掲載されており、その中には店舗を改善する上で重要な口コミも多く掲載されています。
しかし、大量のデータの中から改善点を見つけ出すのは非常に難しく、多くの店舗で課題となっています。
また、1年前の過去の口コミ等のネガティブ評価が現在も当てはまっているとは限りません。
そのため、直近3ヶ月で発生した口コミを中心に、どのような点が評価され、どのような点がマイナスとなっているのかを書き出してみましょう。
店舗側では、見落としがちな店舗のウィークポイントが浮き彫りになるケースがあります。
Googleビジネスプロフィールのプロに分析を依頼することも検討
GoogleビジネスプロフィールはGoogleMapsに店舗情報を掲載できるプラットフォームであり、様々な口コミが記載されています。
Googleビジネスプロフィールの管理画面では、過去の口コミをデータ形式で取得することができないため、サードパーティ製ツールを活用した口コミの分析を行える代理店を探すことも検討する必要があります。
特に、複数店舗の運営を行っており、1店舗づつ口コミデータを取得しに行くことが難しい中規模以上の企業様は、そういった代理店の活用を検討しましょう。
弊社が開発するMEOチェキでは、口コミの分析から運用管理までできるツールとなっており、多くの企業様にご活用いただいています。
効果的な口コミ獲得テクニック

良い口コミを獲得するためには、どのような施策を取れば良いのでしょうか。
効果的な手段として以下の2つを紹介します。
- GoogleMapsを通した口コミ促進のアプローチ
- 環境改善による顧客満足度の向上
GoogleMapsを通した口コミ促進のアプローチ
口コミを増やすなら、良い口コミを増やしたいと飲食店の経営者なら誰もが考えます。
そのために、お客様に口コミを書いてもらえるような流れを作るのも有効な手段です。
口コミを促すのは悪いことでも違法でもありません。
お願いするのではなく、書いてもらえないかと依頼するのがポイントです。
口コミを依頼をするのは、信頼性と利用者が断トツに多いGoogleMapsがおすすめです。依頼するタイミングは、食事の後や会計時が適切でしょう。
ただし、口コミの依頼の際に報酬や特典をつけないように注意してください。
ガイドラインの違反になります。
参考:Google ビジネス プロフィール|Google ユーザーにクチコミを投稿してもらう
環境改善による顧客満足度の向上
悪い口コミの原因は、お店の環境が整っていない場合が多いです。
たとえば、スタッフの人手不足でお客様を待たせてしまったり、接客の教育不足でお客様に不快な思いをさせてしまったりというケースがあります。
このような場合の改善策は、お店のスタッフを増やすことや、デジタルツールを導入して少ない人数でも回せる体制にするなどが有効です。
良い口コミを増やすには、飲食店内の環境改善をしていくことが欠かせません。
口コミ管理のベストプラクティス

飲食店へ訪れるお客様は、口コミを判断基準としていることが多いです。
そのため、口コミに対してベストな対応をすれば集客向上につながります。
ここでは、最善策として以下の2つを紹介します。
- 口コミへの対応方法|良いものと悪いもの
- よくある質問への回答集
口コミへの対応方法|良いものと悪いもの
口コミに対して返信する際には、6つのポイントを意識しましょう。
- 迅速な返信を心掛ける
- 丁寧な言葉を使い不快感を与えない
- 感謝の言葉を伝える
- やわらかい表現を使う
- 定型文をそのまま使用しない
- わかりやすい文章を書く
良い口コミの対応方法としては、感謝の言葉を伝え、口コミを見る人を意識して返信することです。
各口コミに対し、お礼から書き始め、頂いた内容に対して感謝の気持ちを伝えます。
最後の締めに「またご来店ください」「スタッフ一同心からお待ちしております」と書くと好印象を与えます。
悪い口コミへの対応方法には、丁寧な返信が第一です。
お客様から指摘のあった内容は、感情的にならず冷静に受け止め、言い訳や反論はしないで認めましょう。
反論や言い訳は、批判の対象になり状況を悪化させる原因になります。
ただし、明らかな間違いは訂正が必要です。
訂正をする際には、お詫びをしたうえで誤っている事実を丁寧に伝えてください。
悪い口コミをそのままにしておくと、見た人は誤解をしてしまい、お店の印象をさらに悪くしてしまいます。
明らかに以下のような悪意がある口コミに対しては、削除のリクエストが可能です。
- 虚偽の内容である
- 脅迫、中傷など違法内容である
- 飲食店のサービスや商品と無関係である
良い口コミと悪い口コミに共通する重要なポイントは、丁寧な対応を心掛け、好印象を持ってもらうことです。
よくある質問への回答集
口コミに対する返信の例を取り上げてみました。
参考にしてみてください。
【良い口コミの場合】
お客様:「彼女とのデートで利用しました。スタッフの対応が素晴らしく、とても喜んで貰えました!ありがとうございました。」
返信:「この度は、ご来店ありがとうございます。お客様の大切な方とご利用をいただき大変嬉しく思います。
お客様に心地よい空間を提供できる接客を常にめざしております。
今後もお客様の期待にお応えできるように努めてまいります。またのご来店を心よりお待ちしております。」
お客様:「お店の美味しい料理に感動しました!また来たいです!」
返信:「この度は、ご来店いただきありがとうございます。
当店のメニューにお褒めの言葉をいただき、大変嬉しく思っております。お客様に美味しい料理を提供することを大切にしております。
今後も喜んでいただける料理を提供するために、スタッフ一同努めてまいります。またのご来店を心よりお待ちしております。」
【悪い口コミの場合】
お客様:「スタッフの対応が悪かった。改善してほしいです。料理は美味しかったのに残念です。」
返信:「この度は、ご意見をお寄せいただきありがとうございます。スタッフの対応に関しましてご不快な思いをされたことを心からお詫び申し上げます。
お客様のご意見を反省に活かし、スタッフの接客改善に取り組んでいきます。
今後は、快適なお時間を提供できるように努めてまいります。またのご来店をお待ちしております。」
お客様:「値段が高い割に、そこまで料理に満足できなかったです。」
返信:「ご意見を誠にありがとうございます。お客様がメニューにご不満をお持ちいただいたことを心からお詫びいたします。
今後は、メニューの品質向上に努め、価格の検討をいたします。
お客様が満足いただける価値を提供できるようにスタッフ一同取り組んでまいります。再度のご利用をお待ちしております。」
口コミ対策の具体例とテンプレート

飲食店で使用する口コミを書いていただくのにテンプレートがあると大変便利です。
ここでは、以下の2つについて紹介します。
- 飲食店向け口コミレビューテンプレート
- レビュー作成のコツ:読者ファーストの視点
対策に使ってみてください。
飲食店向け口コミレビューテンプレート
飲食店の口コミを読む人は、本文と画像の両方を参考にします。
読む目線としては、①〜③に目を通し、⑧の添付画像を見て、④〜⑦という流れが多いです。
口コミを読む人の流れを考えたレビューテンプレートを作成すると、飲食店に訪れた人の意見を書いてもらえやすくなります。
①リード文:飲食店に訪れたきっかけや何人で利用したかを書く
②注文メニュー:飲食店で何を頼んだのかを記入する
③感想:全体の感想:自分の好みや次回も訪れてみたいかなど書く
④営業時間について:飲食店がいつ営業してるのか、休みは何曜日なのかを記載する
【記入例】
火~日
11:00〜20:00
月・祝日はお休み
⑤店舗について:飲食店内がどんな感じなのか、1~4を意識して書く
- 席の案内や構図など気になる点
- 飲食店内の混み具合や客層などの雰囲気
- 飲食店スタッフの注文対応、注文方法や説明に関すること
- 会計の方法や飲食店内での注意事項
⑥利用時について:飲食店を利用していて気が付いたことを記入する
- 飲食店へ入る前の待ち状況
- 案内が機械での整理券発行なのかスタッフ対応なのか など
⑦アクセスについて:飲食店までの交通ルートを書く
- 飲食店の最寄り駅から徒歩何分程度なのか
- 目印になる建物や看板があるか
- 駅からどのように行けば辿りつけるか など
⑧画像の挿入:飲食店の店内や注文したメニューを貼り付ける(3枚程度)
顧客に対して、上記のようなポイントを質問する形式でアンケートを集めても良いですし、一部を抜粋して、口コミ依頼の際に「〇〇についての口コミをお願いします」等の書き方でも良いでしょう。
レビュー作成のコツ:読者ファーストの視点
飲食店の口コミ作成の際には、読む人に伝わりやすいかを一番に考える必要があります。
目的の飲食店にこれから訪れたいと考えている人は、行く前にお店がどのような状況なのかを知りたいからです。
レビュー作成のコツは以下のようなポイントを考慮する必要があります。
- 読む人が実際にわかる情報
- メニューの好み
- 飲食店の特徴
顧客に上記のような内容を心掛けてもらえるように、体験直後に具体的な口コミの記載を依頼すると良いでしょう。
また、Webを通した依頼を行う場合は、LINEステップを活用して来店後に口コミ依頼チャットを送付することも有効です。
より具体的なレビューを書いていただけるように声掛け、依頼をしていきましょう。
口コミで成功するためのに注意すべき点

飲食店の集客は口コミが重要で対策が必要なのがわかりました。
さらに経営向上のための施策があります。
ここでは、下記の2点について解説します。
- 口コミ集客のためのウェブサイトとSNSの活用
- 口コミ共有のための環境作り
口コミ集客のためのウェブサイトとSNSの活用
現在は昔に比べて格段にネットが普及しています。
誰もが所持しているスマホは、1つあれば搭載されている機能でさまざまな検索が可能です。
飲食店の情報を発信する手段として、お店を紹介するウェブサイトとSNSを利用しない手はありません。
ウェブサイトでは、飲食店の特徴やメニュー、行き方や営業時間・定休日など、訪れたいと考えてる人へ分かりやすく掲載をします。
GoogleMapsや、X(旧Twitter)・Instagramでは写真や文章で、飲食店の魅力的な点やお得な情報を発信するとよいでしょう。
SNSは世界の多くのユーザーが見てくれる便利なツールなので、アピールすれば口コミ集客に大きな影響を与えます。
口コミ共有のための環境作り
ウェブサイトとGoogleMapsやX(旧Twitter)・Instagramでアカウントを作成したら、口コミを共有しやすいように環境を整えることが大切です。
ウェブサイトでは、お客様の声を掲載するページを作り、SNSでは利用したお客様のコメントや投稿のシェアを多く受けることで、口コミが拡散しやすくなります。
また、口コミを書いて貰いやすいように投稿を簡単にする仕組み作りも大切な要素です。
複雑な作りだと、口コミを書く側から見れば面倒なため、離脱してしまいます。
たとえば、簡単なアンケートを取るなどが有効です。
口コミを書く人が気軽に投稿できる仕組みを作って活用しましょう。
まとめ:顧客体験の向上と口コミ戦略

集客を左右する口コミの活用の仕方と効果的な例文を用いて解説しました。
飲食店の口コミの影響は非常に大きいことがわかりましたよね。
良い口コミが広がれば、経費をかけずに新規のお客様を獲得できますし、リピーターを広げていくことが可能です。
逆に悪い口コミが拡散されてしまうと、SNSでの炎上やお客様の減少・評判の低下に繋がります。
この観点から、お客様に満足してもらえるサービスの提供は欠かせません。
質の高い料理、心地よい店内の空間作り、スタッフの接客能力を高めるなどの向上は良い口コミを生み出します。
お客様の口コミに真剣に向き合って、さらに良い口コミが広がるように改善をしていく努力をしていきましょう。
本記事を参考に、ぜひ取り組んでみてください。

実店舗運営に欠かせない機器を扱うメーカーにて、決済端末や計量包装機の開発運用を経験。店舗に必要な機器を提供するだけではなく、集客を行ない売り上げに繋げるまでをサポートしたい想いから、「STORE FIRST」を掲げる株式会社トライハッチへジョイン。現在はMEOコンサルタントとして、多業界に渡る累計3000店舗以上の集客・販促コンサルティングを行なう。