実店舗での店舗集客では、Webの活用が年々重要になってきています。

しかし、「これまでポータルサイトやチラシしか使ったことがない」「必要なのはわかるけど難しそう⋯⋯」と考えてしまう人も多いはず。

そこで、本記事では実店舗の集客で行えるWeb集客について徹底解説していきます。

Googleビジネスプロフィールへ名称変更

2021年11月初旬に「Googleマイビジネス」は「Googleビジネスプロフィール」へ名称変更されました。本記事では、分かりやすさを重視し、一部「Googleマイビジネス表記」を使用させて頂いております。

店舗集客でWeb活用が重要な理由

Googleマップ

スマホの普及率が88.9%(参照:内閣府の消費動向調査)を超えた現代では、店舗選びにGoogle検索やSNS検索が日常的に使用されています。

特に飲食店や、美容室などビジュアルに訴求する業界ではポータルサイトよりもSNSやGoogleビジネスプロフィール(旧Googleマイビジネス)のようなリアルな情報を取得できるサービスに人気が集まっています。

また、充実したポータルサイトのない医療系のサービスでは、Google検索で探す人も多いのではないでしょうか。

こうしたことから、店舗集客でのWeb活用は必須になってきていると言えます。

Webで店舗集客をする方法5選

Webで店舗集客する方法は、主に以下5つが挙げられます。

Webで店舗集客する方法
  • SEO対策
  • 広告(Google広告・SNS広告)
  • SNS運用
  • MEO対策(Googleビジネスプロフィール(旧Googleマイビジネス))
  • ペイドメディア(ポータルサイト)

上記のように、Webの集客はざっと上げただけでも5つあり、より細かくしていくと非常に難しく感じてしまいます。

そこでここからは、Webを活用した店舗集客の全体を解説していきつつ、最低限行っておきたいWebプロモーションをご紹介します。

Web活用の店舗集客①|SEO対策

まず一つ目に紹介するのは、SEO対策です。

SEO対策とは、Googleで検索した際に検索結果に自店舗を表示させる手法を指します。

月間に何万回も検索されるキーワードで上位表示することができれば、「集客で困ることは無い」と言えるほど集客効果がある対策と言えます。

しかし、2021年ではかなりニッチな市場でない限りSEO対策で顧客を獲得していくことは難しいかもしれません。

特に飲食店や美容室などは「食べログ」や「ホットペッパー」に検索結果を独占され、ユーザーにみてもらう事は非常に困難です。

本気でSEO対策で集客を実施する場合は、ホームページにブログ機能を持たせ、コンテンツで集客をかけていく必要があります。こうした理由から代理店などを利用する場合は、非常に費用がかかるため業界を選ぶ集客方法です。

Web活用の店舗集客②|広告(Google広告・SNS広告)

Google広告

SEO対策の次に紹介させていただくのは、検索連動型広告です。

SEO対策が検索結果に自然と表示させる方法論であるのに対し、検索連動型広告は費用を支払い、検索結果の上位に表示させる手法を指します。

また、SNS広告はInstagramやTwitterなどのSNSでタイムラインに広告を表示させることを指します。

どちらもクリックに対して費用が発生しますが、広告を出した日から集客ができる点は非常にメリットが高いです。

広告はSEO対策と違い、店舗に興味のあるユーザーに対して集客できるのが特徴です。

しかしただ出すだけでは効果が薄く、自店舗のユーザーにあった広告の質や配信設定などのターゲティングをしっかりと設定することで費用を抑えつつ効果を高めることができます。

発信内容は、期間限定のセールやイベントの告知などの配信がおすすめです。

Web活用の店舗集客③|SNS

店舗情報を発信するプラットフォームとして、以下のようなSNSが上げられます。

店舗集客で使えるSNS
  • Instagram
  • Twitter
  • Facebook
  • LINE@
  • YouTube

上記5種類にはそれぞれ特徴があり、店舗に向いているSNSを選ぶ必要があります。

また、SNSのユーザー層と店舗のユーザー層が合わない場合、フォロワーを集めても集客に繋がらない可能性があるため注意が必要です。

それぞれのSNSにはどういった人がいて、どのような使われ方をされているのかを理解した上で、自店舗にあったSNS運用を心がけましょう。

SNS特徴
Instagram写真や動画での訴求がメインのため、ビジュアルで売れる店舗は非常に効果的。
店舗利用者が写真をUPしたくなる商品作りなども重要。
Twitter拡散性が高く、不特定多数のユーザーにアプローチすることができる。
様々な世代がおり、ユーザー数も多い。
Facebook実名のため、常連さんとのやり取りなど狭く深く繋がることができる。
40代以降のユーザーが多く存在する。
LINE@拡散力はないが、リピーター獲得に有効なツール。
YouTube金額が高いサービスなど、じっくり選ぶサービスを提供する店舗に向いている。
コンテンツ作成に手間がかかるため、他のSNSより難易度は高い。

上の表のように、SNSの活用には店舗が提供するサービスや年齢層とSNSの特性が一致しているのかが非常に重要です。

例えば、Instagramを活用するのであれば、店舗の発信だけでなくユーザーが情報を拡散したいと思える環境作りが大切となるため、オシャレなカフェや綺麗に写真が撮れる店内など、ユーザーが投稿したくなる仕組み作りを店舗側は考える必要があります。

また、Facebookでは信憑性が高いと考えている人も多いため、イベントの告知や公的な発信をする媒体として機能しています。

逆にTwitterでは、匿名性が強く情報の信頼性が低い傾向にありますが、拡散能力の高さから活用することで多くの人に知ってもらうことも可能です。

無料で使えるからこそ、一筋縄では行かないのがSNSです。お客様の気持ちに寄り添って共感できるようなコンテンツを作成することを心がけましょう。

Web活用の店舗集客④|MEO対策(Googleマイビジネス)

4つ目に紹介させていただくのが、Googleビジネスプロフィール(旧Googleマイビジネス)を活用したMEO対策です。

MEO対策とは、Google検索結果の上位に表示させる対策のため基本的に無料で使うことができます。

また、SEO対策と間違えられやすいMEO対策ですが、SEO対策と違い難易度は低く集客効果も高いため、非常におすすめのWeb集客方法です。

簡単に言ってしまえば、SEO対策は「Google検索の検索結果」、MEO対策は「Googleマップの検索結果」に表示させる手法となります。

MEO対策が必要な理由をまとめると以下の通りです。

MEO対策が必要な理由
  • 検索結果の上部に表示される
  • 他掲載枠に比較し20〜40%の高いクリック率を期待できる
  • 即効性や蓄積効果などMEO対策は投資対効果が高い
  • MEO対策はユーザーが行動に移るまでの導線がシンプルである
  • Googleマップは国内4,000万人以上が利用するLINEに次ぐ2位のプラットホームである
  • MEO市場は今後も伸び続け2025年には202億円の市場へと成長する

MEO対策が必要な理由①:検索結果の上部に表示される

現在、地域性含む「Goクエリ」と呼ばれる検索キーワードは、検索結果のほとんどにローカルパック枠が表示されます。また、シーン検索(例:「いい感じのレストラン」)などのキーワードにおいても2017年12月以降にローカルパックが表示される率が急激に増加しています。

MEO対策が必要な理由②:検索結果の上部に表示されるため高いクリック率を期待できる

下表は掲載枠別の想定クリック率です。

掲載枠想定クリック率
MEO表示枠20〜40%
リスティング広告枠1〜7%
SEO1位:34% 2位:17% 5位:6% 10位:3%

リスティング広告やSEOのクリック率よりもMEO対策の方がクリック率が高いことが分かります。検索結果の上部に表示されるため、視認性が高く多くのユーザーに認識してもらうことが可能です。

MEO対策が必要な理由③:他掲載枠と比較してMEO対策は投資対効果が高い

ここではMEO対策と他掲載枠を「即効性」「投資対効果」「蓄積効果」「育成効果」の4つで比較しています。

 リスティングSEOMEO
即効性△(3ヶ月〜)◎(2週間〜)
投資対効果×◎(2週間〜)
蓄積効果×
育成効果×
リスティング広告やSEO対策に比較し、MEO対策は比較的安価に対策を行うことが可能であり効果が出るまでの期間が短いのが特徴です。また、リスティング広告は費用をかけ続けないといけないのに対し、MEO対策やSEO対策は蓄積効果・育成効果があります。
Googleビジネスプロフィール(旧Googleマイビジネス)を地道に育てていくことにより、安定した上位表示や来店を期待することができます。

MEO対策が必要な理由④:ユーザーは直ぐに行動へと移れる

MEO対策の行動パターン

MEO対策の特徴として「ユーザーが直ぐに行動へと移れる」ことが利点です。リスティング広告やSEO対策のようにWebページを見ることなく、Googleビジネスプロフィール(旧Googleマイビジネス)に表示される現在地からの距離や口コミ、写真を確認し直ぐに電話・経路案内へと行動を移すことができます。

ユーザーが行動を移すまでの導線設計がシンプルになっているため、上位表示を行うことにより、多くの送客効果を期待することができます。

MEO対策が必要な理由⑤:増え続けるGoogleマップ利用ユーザー

GoogleはGoogleマップの利便性向上を行い、日々利用ユーザーを増やしています。その結果、Googleマップの利用者数は全世界で約10億人以上、国内でも約4,000万人以上(LINEに次ぐ2位)と多くのユーザーに利用されています。

利用ユーザーが増加しているため、店舗ビジネスのMEO対策も重要であるということが分かります。

MEO対策が必要な理由⑥:MEO市場は今後より成長する

MEO対策市場
Googleマップ利用ユーザーの増加に伴い、店舗ビジネスのMEO対策活用も急速に増え、MEO対策の重要性がより高まることが予測できます。

PCに抵抗がない人であれば簡単に登録できる点や、無料で使える点など難易度や費用面で見てもGoogleビジネスプロフィール(旧Googleマイビジネス)は店舗集客に向いています。

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Googleビジネスプロフィール(旧Googleマイビジネス)の基本から運用までこれを読めば解決

Web活用の店舗集客⑤|ペイドメディア

ペイドメディアは主に食べログやホットペッパーなどのポータルサイトから、キナリノや東京ウォーカーなどのメディアサイトまで様々です。

その特徴としては有料で登録・掲載し、費用を払うことで多くのユーザーに発見してもらうことができます。

こうしたメディアサイトはSEO対策を行い、検索結果の上位にサイトを表示させることで店舗集客につなげる仕組みを作っています。

しかし、どうしても広告っぽさが出てしまう・リアルな情報じゃないなどの意見も多く、「発見される」という点には向いていますが、来店まで繋がるかという点では効果が薄れている傾向にあります。

また、検索結果もGoogleビジネスプロフィール(旧Googleマイビジネス)の方が上位に表示されるなど、ユーザーのポータルサイト離れも起きており、少し古いWeb集客方法となるかもしれません。

Webの店舗集客で成功するためのポイントや注意点とは?

Web集客方法を解説してきましたが、ここからはWeb集客方法のポイントを解説していきます。

Web集客を成功させるためのポイントは主に以下の4つです。

Web集客を成功させる方法
  • 顧客行動を知る
  • 費用対効果(ROI)を計算する
  • ブランド毀損リスクを考える
  • ブランディングを考える

一つずつ解説していきましょう。

Webの店舗集客のコツ①|顧客行動を知る

実際に集客に取り組む際に、重要なお客様となる消費者の行動パターンを把握しておきましょう。

消費者行動モデル」とも呼ばれる顧客の行動パターンは以下の5段階あります。

消費者行動モデル
  1. 認知・注意(Attention)
  2. 興味・関心(Interest)
  3. 検索(Search)
  4. 行動(Action)
  5. 共有(Share)

この5つの顧客行動の頭文字をとって「AISAS」という名前がついています。顧客は認知・注意から順に下に消費行動の中で移動しており、以下のような手順で飲食店での食体験を消費していきます。

実際の行動パターン
  1. 店舗を口コミや広告で知る(Attention)
  2. 興味・関心を持ち、より深く調べたいなと感じる(Interest)
  3. 実際にGoogleやInstagramで検索する(Search)
  4. 店舗情報を十分に精査して実際に来店する(Action)
  5. 来店した様子や感想をSNSを通してシェアする(Share)

従来型の消費者行動の違いとしては、5つ目のシェアが大きいと言えます。

SNSの普及により、個人がより情報を発信する時代となり、公式(店舗HP)非公式(ユーザー口コミ)での両方の視点からお店選びをするように変化しています。

このように、使用するSNSや媒体などを「AISAS」に当てはめて考えてみると使うべきSNSや集客方法がわかるようになります。

店舗のお客様が普段どのようにしてお店探しをしているか一度考えてみることをおすすめします。

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Webの店舗集客のコツ②|費用対効果を考える

二つ目に重要なのが費用対効果を考えることです。

SEO対策や広告は多くの予算を必要としますが、SNSは無料で使用することができます。

ただしここで注意していただきたいのが、SNSの運用には店舗の担当者の人件費がかなりかかるという点です。

SNSでコンテンツを作り込まずに投稿したとしても誰にも反応されないことも多く、時間をかけて投稿を作る必要性も出て来るため、意外と人件費がかかっていたなんてこともあります。

その点Googleビジネスプロフィール(旧Googleマイビジネス)では、一度情報を登録し簡単な投稿をするだけで検索結果から自店舗の情報が発見される仕組みのため費用対効果は高いと言えます。

Webの店舗集客のコツ③|ブランド毀損リスクを考える

集客をかけるために色々と情報発信する事は大切ですが、情報を発信するということは炎上する可能性も残っているという点について理解しておきましょう。

炎上しやすいSNSといえばTwitterですが、140文字の中で情報発信することで、意図しない受け取り方をする人もいます。

店舗はそれに気がつかないことがほとんどで、気付いたら炎上しているということもあります。

SNSでは会社の不祥事や不始末が発覚すると、すぐに拡散されて世間に広まってしまいます。

SNSでの炎上対策としては、担当者を明確にし、レギュレーションを作成することです。レギュレーションを正しく設定し、担当者個人の意見を投稿させない必要もあります。

Web店舗集客のまとめ

ここまでWebを通した店舗集客を紹介してきました。

当サイトではやはりコストパフォーマンスに優れるMEO対策をおすすめしていますが、自店舗にあったWeb集客方法を色々と試しながら進めて言ってみてください。